ろい庭にある深い池の水面に、竹の先端が見えている。
その先端をおって水中に入ると、足に石のおもりをつけ、中を突き通した竹の管
をくわえた女忍者かなみがひそんでいた。
(まずいわ・・・まだ出そう・・・)
ひとり水中で身をよじるかなみを、地上では男達が懸命に捜索していた。
「探せ!密書を盗んだ屁っぴり忍者を!密書を取り返すのじゃ!」
かなみが、頭領から密書を盗み出し、戦の出陣計画を聞き出すという使命をうけ
たのは3日前だった。
遂行するまで何日かかるかわからない。かなみは忍者食を持っていくことにして
食料庫で丸薬をとってきた。
「あれ?こんなところにも丸薬が・・・。新製品かな?」
机の上においてあった丸薬を手にとり、かなみはひとりごちた。
「頭領用のおいしいヤツかしら。もらっちゃおーっと!」
年頃の女の子らしい、忍者にはそぐわぬちりめん製の小袋に丸薬を入れ、城に
向かうかなみ。だが、その丸薬は棚の奥におちていた古いものを、掃除当番の
くの一が捨て忘れたものだった。
忍者食を食べつつ、城にしのびこむこと3日。ついにその時がやってきた。
奥の部屋で、武将達が集まって戦略会議を開くというのだ。
密書をすでにいただいていたかなみは、天井裏にしのびこみ、敵の戦略を盗聴し
ていたのだ。しかし・・・
プゥッ。
「何奴!?」
丸薬というのは、ごく小さい粒を食べると胃で水分を吸収し、何倍にもふくれる
のだが、一刻前にかなみが食べたのは古い丸薬だった為に、ガスが大量発生した
のだった。
しまった!と思った時には遅すぎた。かなみの尻から出たおならは、下の武将達
の耳に届いてしまった。そしてかなみはそこから逃げ出し、すいとんの術で池に
ひそんでいたのだ。
かなみは水中でじっとおならを耐えていた。
(困ったなァ・・・水中でおならしたら、泡がはじけてバレちゃうし・・・)
しかし腹の中のガスは増える一方だった。
(あぁん、どうしようっ!・・・そうだ、すこーし出して吸いこんじゃえば!)
かなみはおならの泡が布で分散しないように下着をとると、足を前に投げ出し、
注意深く小さく放屁した。
こぽっ!
ゆらゆらと登っていく泡を手のひらでうけとめ、口を寄せておならを吸いこんだ。
(・・・っ!!!)
さすがに半分傷んでいる丸薬からできたおならだけに、ものすごい匂いと味がし、
思わずせきこむところをこらえるかなみ。しかし吐かれた息は無情にも登ってい
く。それを追っ手が気づかないハズがない。泡のはじけるかすかな音を感じ、城
の男たちは池周辺にだんだんあつまって来ていた。
力んだためにおならを放出しそうになる肛門を手で押さえつつ、水中で悶絶する。
あまりの苦しみと臭さにでた涙は、池の水にまじりあった。
(あぁ、出る・・・!でもばれちゃう!いやーん、困ったなァ・・・)
片手でお尻を押さえ、もう片方で竹筒を持ちながらのけぞるかなみの目に、池の
底からあぶくが少量ずつ出ているのが映った。
(あ、あれだわ!あれにまぎれて少しずつ出せばバレないでおならが!)
おもりの石をつけているかなみは、池の底を這う様に移動し、あぶくがたちのぼ
る場所までやってきた。
泡の位置をずらさない為に、おしりを泡のでる場所の上に突き出す。泡がかなみ
の濃い桃色の菊座をくすぐった。
(あ・・・ダメ!こんなに小さく出せない・・・!急に大きな泡が浮かんだら・・・!)
長い間我慢したおならはかなみの下腹をパンパンに膨れさせ、とても量の調整が
できる状態ではなかった。
しかしもっといけないことに、足につけた重りの石が底の石にはまりこみ、移動
しようと力むと確実に放屁してしまう状態になっていた!
その間も、池の底からでる泡は容赦無くかなみを優しくなでまわし、敏感になっ
ている菊座をいたぶり続けている。
かなみの頭の中では、自分の尻からごぼごぼと大きな泡がとめどなく出る状況を
思い描いていた。
(はんっ・・・あふ、イヤぁっ。気持ちいい・・・けど、出っ・・・!あっ、あふっ!)

かなみは、もう我慢できなくなっていた。
爆発する寸前ほぼ無意識に、おならを押さえつけようと竹筒をもった手を尻に
持っていく。かなみは迷わず、むきだしの菊座に竹筒を押しこんだ。
ブシューーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
水面に出た竹筒の先端は、かなみの溜まりに溜まった大量の臭い屁をふきだした。
水の中では、かなみの息が続かなくなる程、長く長く放屁が続いた。
シュオォォーーーーーーーーー・・・。
(す、すごいオナラ。でも上は静かみたいだし、バレなかった様ね)
用心のために半時ほどその場にひそんでいたが、その間3発竹筒で屁を抜いた。
自分の行動とおならのすごさに顔を赤く上気させ、かなみは石をむすんでいた綱
を切ってそっと水面に浮かび上がった。
「あ、あらっ。」
するとそこには、余りのかなみのおならの臭さで気を失った者達が重なり合う様
に倒れていた。
かなみは恥じらいつつも易々と、城をぬけ出て忍びの里へと戻った。
「ようやった、かなみ!」
かなみの持ちかえった情報と密書を手に、頭領はかなみを誉めた。
「正体をばらさずに、ほぼ全員を倒したそうじゃな。お主も一人前のくの一じゃ。」
「ははっ!」
かたひざをつき、頭を下げるかなみだが、その名誉ある尻は竹筒を指した痛みに
ズキズキとしていたのだった。
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