sparkling night

の時、友紀は静かに深く怒っていた。
 スキー場を目の前にした高級ホテル。会社の同僚3人と、ナンパ目的で来た春スキー。
だか居るのは学生のカップルばかりだった。もっと腹が立つのは、友紀が席を立っている間に同僚達がフリーの男2人組に声をかけられて、それぞれ食後のデートの約束をとりつけてしまったからだ。
「酷いじゃないのよぉ!」
 友紀が怒っても、あとの2人は澄ました顔をして
「席を立ったのが敗因だね。あっちも2人だったしさ、友紀も誰か見つけてよ。」
「そうそう。あたし達これから準備するから、先に部屋に戻ってるねー。」
がんばってね友紀、と言い残し、2人は席を立ってしまった。

 友紀は、2人がほとんど手をつけずに残したカシスソーダのグラスを睨みつけていたが、オシャレな飾り付きのグラスを取ると、2杯共ほとんど一気に飲み干した。
「まったく、女の友情ってこのカクテルより薄いわ。」
 だが男をゲットした友人達が羨ましいのも事実なので、友紀はしばらく机に頬杖をついた格好でまわりの男を物色していた。・・・見事にカップルと団体ばかりだった。

 カクテルを3杯も飲んだからだろうか。流石に尿意を催してきた。友紀は席を立つと、少々危うい足取りでトイレに向かった。薄いと思っていたが、結構アルコールが回ってき
ているらしい。軽く頬を上気させ、女性用トイレのドアを開ける。
 バーラウンジのトイレにしては珍しく、他に誰も居なかった。普段なら水を流しながらするのだが、苛立ちに酔いも手伝って、小の音を個室に響かせながら友紀は用を足した。
個室から出て手を洗いながら鏡に映った自分を見、彼女は自分の釣りあがった眉毛に嫌や毛がさしていた。こんなんじゃ誰も寄ってこないわよね・・・。

ブウゥゥゥゥー!

 深いため息と共に、下の深いため息も漏れでてしまった。もわっと、あたりに屁の匂いが充満し漂う。そんな自分に、余計情けなくなったが、それでも友紀は口紅をつけなおすと鏡で左右から顔をチェックし、ドアを開けた。

「ねえさん、今すっごい屁ぇこいたでしょ」

「!?」
友紀は驚いて声のする方を振りかえった。そこには、春休みの大学生らしき男が1人、トイレのドア横の壁にもたれかかって立っていた。
 辺りにはその男以外誰もいない。友紀は顔を赤くすると、釣りぎみの目をさらに吊り上げて、男を睨み付けた。
「失礼ね!何よ!?」
 男の頬を力いっぱい叩こうとして振り下ろした友紀の手を、男は難なく受け止めた。
そのままぐいっと友紀の体を引き寄せると、男は友紀の耳元で囁いた。
「・・・いい匂いやねぇ、ねえさん。素敵や」
 首筋につけたコロンの匂いのことを言っているのか、と最初友紀は思った。だが自分で鼻を利かせてみると、漂うのはスキーウェアのもこもこしたパンツにこもっていた、かす
かな屁の匂いだった。
「何!?アナタ・・・変態?」
 思わず大声を出しそうになったが、そうすると後で自分が大きなオナラをしたことが広まってしまうかもしれないと思いなおし、あわてて小声で抗議する。
「そう、俺変態やねん。オナラ大好きなの。ねえさんのオナラ、最高に好みの匂いや~。」

 友紀は男の顔をまじまじと見てしまった。大学生に見えるが、もっと幼くも見える。女の子が放っておかない、可愛くていじらずに居られない丹精な顔。背はそれほど高くない
し体もそれほど引き締まっているようでもない。軽いクセッ毛で、いまどき珍しい真っ黒な髪。冗談を言っているのかと思ったが、本人はいたって本気のようだった。顔は上気し
ているけれども目が死んでいない。酒に寄っているようでもなかった。

「で、私のオナラがいい匂いだったら何?」
 友紀は半ば呆れて、腕組みをしながら男に聞いてみた。
「あんな、ねえさん。おヒマ?俺と呑まへん?俺ヒマなんよ。ダチどっか行っちゃってな」
 にこにこ笑う男が可愛かったので、友紀は騙されてみようかなーと思い始めた。どうせ今夜だけの男だし、見た目がいいしこっちも一人だし。
「・・・いいわよ。」

 1時間後、友紀は自室に戻っていた。
「友紀、なんかいい男見つけたのー?」
 先に帰っていた同僚の真美子が、着替えを出しながら嬉しそうな顔を隠そうと必死になっていた友紀の表情を読んで尋ねた。
「まぁまぁなところで妥協しといたわ。」
 スキーウェアを脱ぎ、シャワールームに入りつつ、友紀は真美子に返した。マニキュアを塗りなおしながら恵子が、まぁまぁねぇ・・・、とつぶやいて口元を緩めた。

 一応大事なところをしっかり洗い、軽くシャワーを浴びた友紀は、さっき出したワンピースに着替えて身支度を整えた。口紅をバッグに入れた時、ドアをノックする音がした。近くにいた真美子がドアを細く開けると、やはりスキーウェアから私服に着替えたあの男がひょいっと顔を覗かせた。
「おねーさん♪迎えに来たよ~♪」

 なんでここがわかったの?と驚いて聞く間もなく、同僚2人が呆気にとられている気配を感じた。まぁまぁと言ってる割に、現れたのが美青年だったから驚いたのだろう。
「真美子と恵子、今晩この部屋使っていいよ。私戻らないから。」
 驚きと悔しさの混ざった顔で見送る2人に優越感を感じつつ、友紀は駄目押しの台詞を残して部屋を出た。

「朝まで付きおーてくれるん?嬉しいなー♪ ほな俺んとこ行こ。酒もあるし、食いもんも よーさんあるしー。」
 男の方から、友紀の腕に自分の腕を回してくる。年下の可愛さ爆発な感じで、友紀もちょっと萌え始めていた。

 フンフン♪と鼻歌まじりで、スキップでも踏みそうなテンションの青年に連れられ、友紀を乗せたエレベーターは上の階に上がっていった。友紀たちも奮発していい部屋をとっていたのだが、彼の部屋はさらにいい部屋だった。金持ちのすねかじりボンボン学生なのか?と思ったが、せっかく豪華な部屋で1泊できるのだから、あえて何も聞かないことにした。
 角の部屋のドア前で、青年はポケットからカードを取り出す。ピッ、と電子音がして、ドアが開いた。
「・・・わ」
 思わず声を出してしまうほど、その部屋からの見晴らしは最高だった。
きゅぽっ、ポシュウッ。
 友紀が外を見ているうちに、青年はワインクーラーで冷やされていたシャンパンの栓を抜いた。細身のグラス2つに注ぐと、1つを友紀に差し出した。
「ねえさん、乾杯や。」

「ねーねー。坊や」
 すでに、サイドテーブルの上には、フルボトルのシャンパンの空き瓶が横倒しになっている。青年はベッドの上に、友紀は赤いソファにのびのびと、すっかりくつろいで座っていた。
「なんですかぁ?」
「シャンパン空いちゃったよー。なんかぁ、無いのぉ?」
 空になったグラスを逆さにして振り、すっかり酔ってしまった友紀は遠慮なく青年に追加を所望した。
「よーし。そしたら、コレ開けちゃおう!」
 部屋付きの小さな冷蔵庫から、青年はまたシャンパンの瓶を取り出した。
「今度はルイ・ロデレール?シャンパン好きねぇ」
「さっきのヴーヴな、ホテルからのサービスで置いてあったんよ。これは、明日スキー場のてっぺんで呑もうと思って持ってきた奴。さすがにクリスタルとは行かんかったけどね。」
 青年は、コルク止めの針金を外しながらシャンパンの銘柄の話をする。友紀も泡モノは何でも好きだったので、彼の言っていることがわかっていた。
「モエじゃないところが、シャンパン好きっぽいわよね~」
「そやろ?嬉しなー、ねえさんわかってるやーん。俺シャンパン大好きやねん。このな、栓をな、音立てずに抜くやん?乙女のため息とか言うけどな、ちゃうねん。我慢しきれずに ボフッと抜けたオナラみたいでめっちゃ興奮すんねん。」
「・・・ホントにオナラ好きなのねぇ」
 友紀のグラスに新しいシャンパンを注ぎながら、彼はいたってマジメな声で言った。
「そう、ホントに好きなの。今までに逢った娘ぉ皆勘違いするけど、スカトロちゃうんよ。
 純粋に、オナラだけが好きなの。」

 相当に酔いがまわってる友紀には、彼の偏った性癖の話に反応することができなかった。
ただ聞いたことばをそのまま受け止めることしかできなかったのだ。それよりも、タイヤの付いた大きなキャリアバッグの中に顔をつっこんで何かを探している彼の姿を見て、ホントに可愛いなこのコ・・・と思っていた。
「ねーさんねーさん、見てコレ。」
 青年は、大きなカバンから、お菓子を取り出していた。
「来る途中で見つけたんよ。知ってる?これ」
「何?ひとくちおいも焼いちゃいました?ひゃははは、そのまんまじゃん!」
 小さなパッケージを開け、友紀は中の1つをつまんで口にほおりこんだ。
「いや、これがな、甘栗むいちゃいましたシリーズなんやけどな、激マズイんよ!」
 口を動かしていた友紀は、思わず噴出してむせ返した。
「ぷっ、げほげほっ、ホントだ美味しくない~。きゃははははは!」
「でな、これ見てや!でかプッカ。知っとる?」
 別のお菓子のパッケージを開けて、青年は中身をざらっとサイドテーブルにあけた。
まんまるい、魚のような形のチョコレート入り焼き菓子がころころ転がっていた。
「うわっ、でかっ!」
「そやろ?プッカがデカイねん!」
「きゃははははは!でっかい~!可愛いーーっ!何、限定品?これ。」
「いや、うちの方だとコンビニでも普通に売ってんで。」
ガラステーブルの上の1つを、指でつんつん突つきながら、友紀は笑い転げた。酒のせいだろう、今は何を見ても可笑しくて仕方がない。2人してケラケラと大笑いしていた。

「あー可笑しー。さーてと、ちょっと、ねーさんトイレ。」
 かなりの量のシャンパンを空けたため、友紀の膀胱は満タンに近くなってきていた。トイレに行くためにソファを立つ。と、青年がベッドから起きあがり
「ねえさん、オナラの音聞いてもええ?」
 と軽い調子で友紀に聞いた。
「やーよ。」
 友紀は受け流すと、トイレに向かったが、立ちあがった彼に手をとられて動けなくなった。
後ろから友紀を軽く抱きしめ、友紀の首筋あたりに口を寄せて
「ドアの外からでええねん。聞かせてくれないと、トイレ行かせないからね」
と、脅迫に近い言葉で懇願した。
 首筋に熱い息を感じた友紀は、背筋にむずがゆい快感が走るのを堪えつつ、括約筋の力を強くした。このまま肯定しなければ、彼に抱かれて漏らしてしまうかもしれない。
「・・・いいわよ。だけど違う音聞かれたら恥ずかしいから、オナラでそうになったら中か らドアをノックするからね、そしたら聞きにきて。じゃなきゃイヤ。」
「うん!わかった。絶対だよ!?絶対ノックしてよ!?」

 友紀は彼の手から離れると、トイレに向かった。
 ドアをしめ、今度はちゃんと水を流しながら用を足す。熱が奪われてぶるぶるっと小さく振るえる。小用が終わったので、恥ずかしく思いながらも小さくドアをノックした。木の板
を隔てて外に美青年が聞き耳を立てて、私のオナラの音を聞こうとしている・・・そう思うと、恥ずかしさをも増した妙な快感が友紀の身を熱くさせた。しかしいつもならこの辺りで出るはずのガスが、出そうになかった。溜まっていないハズがない。聞かれているという緊張で、出なくなっているだけなのだ。

 しばらくして、友紀はトイレのノブを回し、部屋へ出てきた。ちょっと離れたところに立っていた青年は、少し怒ったような顔付きで友紀を見ている。
「あー・・・オナラ、出なかったよ。」
 友紀は赤くなってそう報告した。しかしその時、友紀の腹でブブゥーと、溜まった屁が腸内を逆流する音が響いた。
「・・・。」
 次の瞬間、青年は無言のまま友紀を壁に押し付けると、覆い被さるように友紀の後背を取った。そして両手を伸ばし、友紀の胸をやや強い力で揉みだした。
「・・・あん!」
 服と下着の上からだったが、青年の指は性格に友紀の乳首を探し当て、コリコリと刺激した。友紀は壁に手をついたまま、首を軽く仰け反らせて、思わず気持ちの良いことを告げる声を出してしまった。腰をくねらせているのは、抵抗している訳ではない。
「あ、あぅ・・・坊や・・・」
「凌。」
 青年が始めて名を告げた。友紀の耳元に、その名が熱い吐息と共に届く。
 友紀の胸を揉んでいた片手が、序々に下におりていく。腰のラインを通過して、お尻のふくらみへと。凌の手が、スカートの上から、友紀のヒップを撫でる。スカートの裾が少しずつ上がっていくのを、友紀も感じていた。
 ガーターベルトの上に履いている友紀のシルクの勝負パンティに、凌の手がかかった。サラサラしたシルクの感触を楽しむかのように、2・3度掌で包み込むように撫で・・・

 突然、ひざまづいた凌は、友紀の長いスカートの中にすっぽりと入ってしまった。
「あっ、凌・・・くん・・・!」
 凌は友紀のやわらかい尻にほお擦りし、ストッキングに覆われた腿を撫でた。友紀は突然のことに驚いたが、その優しいタッチに酔いかけていた・・・。
 が、その時、身体の内部のガスが再び降りてきて、外に飛び出そうとしていることを友紀に教えた。
「ねえさん・・・ねえさんのオナラ、嗅がせてもらうから・・・ね・・・」
 凌はゆでたまごから薄皮を剥くように、友紀のヒップからパンティを一気に引き下ろした。
生の尻が目の前に迫り、凌の興奮は高まっていった。つるつるの尻に唇を押し付け、舌を這わせる。
 スカートの中で尻を露わにされてしまった友紀は、壁に手をついたまま、放屁の欲求を何とかやり過ごそうと必死だった。屁を男性の顔に噴射することなど恥ずかしくて出来そうになかったし、彼女は自分の屁が臭いことをよく知っていた。常人が腹を下した時の臭い屁が彼女の通常時の屁の匂いなのだった。
「あ、あ・・・凌くん、ダメよ・・・イヤ!」
 しかし凌は容赦なく、友紀の尻を両手で揉み弄り、舌を肛門に押し進めようと、固く閉じた尻のクレバスに割り入っていく。
「あ・・・」
 チロチロ動く凌の舌に、一瞬友紀の力が抜けた。見逃さず、凌は友紀の尻を両手で大きく左右に開き肛門を露出させた。

ふしゅーーーーーーーーーーーーーーーっ

 開かれた肛門から、友紀の腸内を押し広げていたガスが、音も無く噴出した。
「あっ、ああっ!嫌・・・オナラ出さないでぇ・・・」
 理性は友紀の顔を羞恥で真っ赤に染め、しかしまた一方では、凌の端麗な顔に自分のガスを吹き付けていることに女王の様な快さを感じ、官能的な表情でさらに頬を上気させた。
 顔に友紀の臭いオナラを受けた凌もまた、目を半ば閉じウットリとした表情で、その臭気を堪能していた。長いスカートで覆われた空間に、ガスは篭ってしばらくの間消えそうに無かった。異常な興奮でジーンズの中のモノを激しく勃起させながら、凌は感極まって友紀の尻と腿の付根に唇を押し付ける。
「ねえさんの匂い、最高や・・・こんな素敵な匂い、初めてだ。綺麗なお尻から、こんな臭いオナラが・・・スゴイ。ああもう、最高・・・!」
 友紀は、ワンピースのスカートから自分の屁の匂いが昇ってくるのを嗅いだ。いつも以上に臭い匂いに、思わず目をぎゅっと閉じた。しかし恥ずかしさとは裏腹に、熱くなった股間から愛液があふれてきているのも、同時に感じていた。

 ひっ! と、友紀はたじろいだ。凌が友紀の愛液を指に絡め、彼女の秘所とクリトリスを同時になぞりだしたからだ。
「凌く・・・あっ、いい・・・そこ・・・っ」
 今だオナラの悪臭がこもるスカートの中で、凌は友紀を責め続けた。
「御礼に・・・逝かせてあげる。気持ちいい?」
 くちゃくちゃと、湿った音が大きくなる。友紀は言葉にならず、ただ勢いよく頷いた。凌の指が、狙い違わずにクリトリスの一番感じるところを嬲る。強い快感で膝の力が抜け、友紀は壁に手をついたままずるずると、その場にへたり込んでしまった。

 スカートから現れた凌と友紀は、御互いの顔を間近に見あわせ、2人共が頬を真っ赤にさせて感じていることを知った。
「ベッドに行こか。」
 へたり込んでしまった友紀を、凌はお姫様抱っこでベッドまで運ぶ。案外力強いんだな、とこんな時でも友紀は少し関心した。
 ベッドに並んで座り、友紀の背中にあるワンピースのファスナーを下ろす。上半身を脱がすと友紀を寝かせ、下まで一気に服を引き下ろした。友紀が自分で下着を取っている間に、凌も服を脱ぐ。華奢だがきちんと筋肉はついているようだ。トランクスから、濡れて光る亀頭が見えている。2人が生まれたままの姿になると、凌は友紀の上になり、丁寧に友紀の乳首を舐め転がした。
「はぁっ・・・あう。上手・・・」
 友紀は思わず声に出してしまった。放屁で理性が飛んでから、今日はどうも感じやすくなっているらしい。
「あっ、あっ、あっ・・・」
 脚をM字に開かせ、凌は友紀の股間を舐める。そのたびに腹に力が入る友紀は、再び

ブッ!ブゥ・・・プッ!

 と、残った屁を放いてしまった。股間に顔をうずめていた凌はその音と鼻を突くような酷い匂いで更にまた興奮し、一層男根を固く大きくさせた。
「あぅ・・・ねえさんのオナラ、ごっつい強力な殺人兵器や。ごめん俺・・・アカン、もう ・・・逝きそう・・・あ、うっ!」
 ごそごそ、とベッドサイドのティッシュの箱を探り、2・3枚取り出して亀頭に当てたのと、精を放出したのはほとんど同時だった。
「はぁ、はぁ・・・手も使わんと・・・逝ってしもた・・・ねえさんのオナラ、反則やで。 こんなん初めてや・・・。」

 その声に、友紀は起きあがって手を伸ばし、満足したような呆けた顔で壁によりかかる凌の男根をそっと触ってみた。放出後の萎えたモノが、みるみるうちに脈打ち固くなっていく。
それを、友紀は軽く握り
「舐めてあげる・・・」
 凌の股間に顔をうずめ、ちゅぽっと音をたてて陰茎を口内に吸い込んだ。
「はぁっ!あ・・・あ、いい・・・」
 思わず上ずった女のコのような声をあげ、凌は快感に溺れかけていた。だが友紀を股間から引き起こすと、
「俺も・・・舐めてあげる」
 二人はベッドの上で、シックスナインの体位になり、お互いを舐めあった。凌の顔を跨ぐ形で友紀は腰を落とした四つんばいになり、フェラチオを続ける。鼻の頭を愛液でべたべたにした凌は、小さく勃起したクリトリスを舐め続けていたが、すこし顔をもたげると、友紀の肛門に口をつけて、思いきり息を吹き込んだ。
「!?」
 凌のモノを頬張りながら、友紀は突然襲ってきた膨慢感に驚いて目を見開いた。
「・・・出して。気持ちよかったら・・・またオナラ、俺にかけて・・・」
 凌が友紀を舐めながらつぶやく。友紀はすでに、オナラを男性にかける事に対して恥ずかしさを持たなくなっていた。それどころか、オナラで責める行為に興奮することを覚えてしまった。もはや、放屁を我慢する気はなく、快感に溺れ自然の欲求どおりに体が動いていた。
「あっ・・・ハァ、もっと、舐めて・・・もう少しで逝けそうなの・・・お願い。」
 丸いお尻を艶かしく左右に振り、友紀は凌におねだりした。凌は友紀の割れ目にしゃぶりつき、指と舌で友紀を激しく愛撫した。
 凌のモノを喉の奥まで咥えこみながら、押し寄せる快感の波に言葉にならない嗚咽を漏らす。口の中で、脈をうつ陰茎がますます固く大きくなるのを感じながら、友紀の思考は全て欲望に乗っ取られてしまっていた。
 痺れるくらい逝きたい。オナラしたい。可愛い凌に、オナラを思いっきりかけてあげたい。

「あ・・・・あ、ダメ!あぁっ!嫌、私イっちゃう」
 愛液がからんだ凌の指の動きが速くなり、完全に露出したクリトリスを責めつける。舐めながら自らの絶頂も近い凌の、弾む息が友紀の股間にかかる。友紀は仰け反るように身悶えすると、凌のモノを咥えたまま、小さく叫んだ。浮き上がる腰を、凌が片手でしっかりと抑えつける。
「イっちゃう!・・・あっイ、イクっ!」
 友紀の陰唇がヒクヒク痙攣し、絶頂を迎えたことを凌に教えた。と同時に

ブゥーーーーーーーーッ!

 尻の頬を振るわせるほどの大音量で、友紀は凌の顔面に放屁した。凌の髪をたなびかせて出たオナラは、元が凌の呼気であったと思えないほどの悪臭を伴っていた。
 凌はその愛しい気体を顔全体で感じ、その悪臭の痛みで反射的に目をつぶった。だが鼻腔に直撃させられたオナラは、彼の全神経を破壊するかのように強く刺激し、そして感極まった凌は友紀の口の中に勢い良く射精した。
「あ、あぅっ・・・んっ、ん・・・うんっ」
ビクッ、ビクビクッと2・3度腰に力を入れ、凌は全ての精を搾り出した。

 あまりの快感に凌はベッドに突っ伏したまま、小刻みに震えていた。友紀は口中の精液の処理を終え、震える凌の隣に横たわった。優しく黒い髪を撫でる。
 部屋の中はまだ、友紀の放った屁の匂いで満ちていた。

「イってこんなに感じたの、俺初めてや・・・」
 凌はまだ軽く震えながら、髪を撫でる友紀の手をとり、握り返した。
「ねえ、凌くんって、なんちゃって関西人でしょ。言葉がなんか変よ。」
 上目遣いで友紀は凌を見つめた。口元は微笑んでいる。凌はニッと笑うと
「ええやん。関西弁の方が女のコに話しかけやすいねんもん。」

「ねえさん。」
「友紀よ。」
 裸で手をつなぎ逢ったまま、友紀はようやく自分の名を告げた。
「友紀さん。キスしてもいい?」
「ん・・・」
 初めて、2人は唇を交わした。1度は軽く、そして2度目は深く長く。
「もう何も出んかもしれんけど・・・」
 前戯の激しさとは全く違い、そのまま溶け合うように、友紀と凌は愛しあった。


 翌朝、友紀たちOL3人組は高速バスに乗ってホテルを出発し、同じ時凌はスキー場の山頂に向かうゴンドラの中に居た。
 2人は別の場所から、一夜きりの、常軌を逸した、しかし激しく狂おしい情事を思い出す。
そしていつまでも、触れ合った体を熱くさせるだった。

   -END-

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