【学校で】
の日、ちょっと心配だった俺は真美を迎えに行った。
「おーっす」
「おはよう…」
「昨日頼んだこと…」
「うん…大丈夫」
真美に笑顔が戻った。
二人一緒に学校へ行った。
教室に近づくと何か騒がしかった。
「おいっ!来たぞ!」
雅文だ。顔を出して俺達がくるのを待ちかまえていたようだ。
教室に入ると雅文が黒板を見ながらニヤニヤしてた。
黒板には俺と真美の相合い傘や「スカンク真美!」「臭い真美!」などのいたずら書きが書かれていた。
真美は泣き出しそうになっていた。
(頑張れ…)
俺は真美の耳元でそうつぶやくと、急いで黒板を消し雅文のところに行って胸ぐらをつかんだ。
「てめぇ!」
「何起こっているんだよ、本当のことだろう?」
「うるせぇ、今日という今日は許さねぇぞ!」
「やるかぁ?」
「上等だ!」
俺が殴りかかろうとしたとき、先生が現れ
「あんた達何やってんの!」
(ちぇっ)
「放課後、横町の空き地に来い、そこで勝負だ!」
「ようし、今日こそ決着だ」
勝負は放課後までお預けとなった。真美は不安そうに自分の机でうつむいたままだった。
雅文とは口を利かず学校を後にした。
俺は真美を連れて、空き地へと向かった。時間になると雅文も現れた。
3人とも服が汚れてもいいように体操着で集まった。
「雅文、お前いっつもむかつくんだよ、今日こそとっちめてやる!」
「おう、俺もお前の大将面が気にくわなかったところだ」
「ここなら誰にも邪魔されねぇ、どちらかが参ったと言うまで勝負だからな」
「よしっ!」
二人は学校でも見なかった真剣な顔をしていた。
ハンカチをクルッと丸め、真美はそれを空に投げた。
ハンカチが地上に着いた瞬間、俺と雅文は取っ組み合いの喧嘩を始めた。
(よし君…)
真美は心配になって見守るだけだった。
良和が殴れば、雅文は蹴り、雅文が殴ると良和が蹴る。
両者一方も譲らず、体中泥だらけになり、顔もひっかき傷で赤くなり始めている。
時間はそのまま過ぎて行くだけだった。
(どうにかしなきゃ…)
俺は隙を見て雅文に飛びかかり、足を引っかけ思いっきり倒した。
意表を突かれた雅文はそのまま崩れ落ちた。
雅文を仰向けにし、俺はその上に乗りかかり肩を押さえた。
「真美!来いっ!」
キョトンとした真美が二人の側にやってきた。
「アレでそうか?」
「えっ?えーーーっ?まさか、ここで?」
「そうだよ、早く雅文の顔に乗れっ!」
真美は、昨日よし君が帰るとき
「今日の晩御飯は芋料理にしてもらえ、後、キムチや餃子もいいかも…たくさん食っておけ…」
と、耳打ちしたのかよく分かった。
そんな事したら、今日学校で大変なことが起きると予想してたのに。
真美は、雅文の顔に俺と向き合うように体操着とブルマ姿で腰掛けた。
「畜生!何をンンガ…」
雅文が何か言おうとしたとき、真美の丸く可愛いお尻は口をふさいでた。顔面騎乗なんて初体験だろう。
「やいっ、雅文!今から凄いことを体験させてやるからな、真美、行けっ!」
「うん…でも…」
「何してんだ、お前のことをヘッピリムシとかスカンク女とかバカにしたんだぞ!いじめられたくなかったら自分で自分を守れ!アレを思い知らせてやれ!」
自分を守る…その言葉に反応した真美はコクッとうなずくとお尻を前後にずらし始めた。
雅文の顔の上で真美のお尻がモゾモゾっと動く。
白の体操服、黒色のブルマ、まさにスカンクの警戒色。
全神経をお尻の穴に集中させ、雅文の鼻の位置を確認した。
真美は深呼吸をしておなかに力を入れた。学校で我慢していたたくさんのガスが下の方に降りてくるのが分かった。
雅文は最初何だか分からなかったが、昨日のことを思い出しようやく事態が飲み込めた。
(まさか、あのオナラ!)
無我夢中で逃げようとしたが下半身から肩は俺が押さえ、頭は真美のお尻で身動きがとれない状況だった。
「私をスカンク女ってバカにしたわね?それなら、とっておきの一発お見舞いしてあげる!エィッ!」
『プゥウウウウーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーィ!!』
モワッとした柔らかく暖かい空気が雅文の鼻先に広がったと思うと、続いて昨日より生臭く強烈な腐卵臭が鼻を突いた。
「フ、フガーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
お尻の下で雅文が頭を動かそうとする。しかしどうしようも出来ない。
真美のブルマ越しのお尻から注がれる毒ガスは容赦なく雅文の鼻に注がれる。
真美の可愛く丸いお尻に雅文の口は閉ざされ、選択の余地無く鼻からオナラガスを吸うだけだった。
そのガスは臭さは鼻の粘膜にこびり付き、脳まで破壊する勢いだった。
「真美!もう一発!」
「ンッ!ウ~~ン!」
『プププ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!』
「フガっ!フゲッーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
昨夜食べた芋や餃子のおかげで、普段よりも輪をかけて強烈なガスを放出した。
強烈な臭いはだんだん辺りを支配し、正面にいた良和にも漂ってきた。
「ウッ!もうダメだー!」
俺もも我慢の限界が来てしまい、思わず鼻を押さえながら飛び退いてしまった。
下半身と腕が自由になった雅文は、最後の力を振り絞り真美を振り払った。
しかし、そこまで。
反撃する気も余力もない雅文は、手で顔をかきむしり、忌まわしい残り香をとるので精一杯だった。
「くっ、くっせーーーー!ちくしょう…ゲホッ、ゲホッ、オェーーーーーーーー」
確かに強烈だ、思わず雅文はその場で食べたものを戻してしまった。
真美はすっかり自信を取り戻し、お尻を雅文に向けて腰を左右に振った。
「どう?スカンク女の一発は?よし君のパンチよりも効くでしょ?」
確かにそうだ、まさか俺もこんな状況になるとは思わなかった。
時間がたち雅文も落ち着いてきた。
「やぃ、雅文。もう真美のことをいじめないな?」
「私のこといじめたらどうしよっかな~?」
「も、もういじめないよぅ…」
「よし君もいじめちゃダメよ、もしいじめたら…」
真美はクルリと向きを変えお尻を雅文に突き出した。
「い、いじめません!約束します!」
「よしっ、約束!3人の約束」
俺と雅文と真美はがっちり握手をした。
結局、ケンカの勝利者は俺ではなく真美であった。
(つづく)
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