Sisters(Ⅱ)


プロローグ.

 最近、毎日が楽しくて仕方が無かった。毎日何の変哲も無い、
ただゲームばかりやって過ごしていた日常に、いきなりやってきた
女の子。あの日、天国のような、そして地獄のような経験をした日から、
恋人同士の関係でつきあうようになった僕と玲菜さん。休日が来る度に
彼女は家にやってきて、姉貴と僕の3人でいつも仲良く遊んでいた。

 僕は姉貴との2人姉弟であるが、父は小さい時に亡くなり、母も産まれつき
体が弱かった。その母は僕を産んでからますます体調を崩しがちになった
ようで、僕は今まで母が元気で生活している姿というのをあまり見た
記憶が無い。そういう状況の中、僕の母親代わり、父親代わりになって、
本当によく面倒を見てくれた姉貴。本当は自分も辛かったはずだろうが、
「暗くなっても仕方が無いんだ」とみんな励まし、必死で看病を続けていた。

 しかしその努力も虚しく母は4年前に亡くなり、ついには生活が苦しくなると
姉貴は通っていた高校を止め、夜の仕事の世界に身を投じる。ただ歯がゆくて
仕方が無かった僕だが、それだけ苦労をしてきた姉貴だけに、周りにいる人間
には恵まれた。本当に姉貴の事を好きで、心から想って慕ってくる素晴らしい
方達ばかりだった。

 そしてその人達の仲で、一番仲が良かったのが玲菜さんだった。彼女以外にも
以前から姉貴のお友達には色々と可愛がってもらったのだが、玲菜さんは
それらのお友達の中でも一番姉貴との仲が良かったという事もあり、何かと
つけてはよく面倒を見てくれた。聞けば姉貴とは中学生の時からの付き合い
らしく、当時からちょくちょく家には遊びに来ていたのだが、母が亡くなり、
僕達2人だけになってしまうと、その状況を不憫に思ったのか、本当に事ある
ごとに面倒を見てくれた。誕生日の日には大好きなゲームをプレゼントして
もらった事もあれば、彼女の企画で遊園地に遊びに連れて行ってもらったり
した事もあるし、他にも色々、数えていけば沢山、大なり小なり色々な
思い出がある。そんな玲菜さんだけに、僕も2人目のお姉さんと思うように
なり、いつしか姉貴以外の女性の中では、学校の女の子達とかの誰よりも
この玲菜さんといるのが一番リラックスして居れるようになっていた。

 だがそんな数ある思い出の中でも、僕の心に一番強烈に残ったのは
あのおならだった。今でもあの匂いを思い出す度に怖くなってくる。しかし
それは単純な「恐怖」というような怖さという訳ではなく、僕の中で湧き上が
って来る不思議な感覚に対しての驚きといったものだった。顔にお尻を
押し付けられた時の、あの何とも言えない柔らかい感触。そしてやられた
おならの口真似。その後に目の前に広がった玲菜さんの素の大きなお尻...。最後に
後のおならの匂いは本当に凄まじかったが、そのおならに至るまでのプロセスが
僕の心に強烈に刻まれてしまったのである。手の中に残ったおならの匂いは
中々取れず1週間ほど残ったが、その間、その手をまた自分の鼻に持っていき、
まだ残る腐った匂いを嗅いでは、よく1人でオナニーをしていた。心の中では
「僕って変態なのかな...」といつも自己嫌悪に陥るも、その匂いを嗅ぐ度に
僕の下半身は爆発寸前に陥ってしまうのである。もしかしてこのまま
エスカレートしてしまうのかも...。いつしか玲菜さんにおならばかり
せがむ男になってしまうのかと、自分の事が不安になっていった。

 しかしある日、そんな自己嫌悪、悩みは全くの杞憂であるという事に
 気付かされた。
 更なる地獄のような、夢のような経験のおかげで...。


Sisters (中編)

 「京君~♪ちょっとこの日、空けといてね~♪お願い~♪」
 
 ある日、玲菜さんからの誘いを受けた。これまで玲菜さんは特に何も
言わなくても家に遊びに来て、適当に遊んでその日その日を楽しく過ごして
いたのだが、このいきなり前もっての誘いの言葉は、「今更何を改まってるの
かなぁ?」と、少し僕の中に疑問を感じた。何か用事でもあるのだろうか!?
または玲菜さん、何か僕に話でもあるのかなぁ?と、色々な想像が頭を
よぎったが、まぁでも特に大した事はないんだろうと、すぐに思い直す事にした。

 むしろ僕の中では期待の方が大きかった。これまで僕ら3人はよく食事に
行ったり、ボーリングをしたりゲームセンターに行って遊んだりしていたの
だが、姉貴の仕事の関係で、それは皆休日に行われていた。しかし今回、
玲菜さんが誘ってきた日は平日の金曜日で、イコールそれは始めての
2人っきりでのデートの誘いなのだろうと思い、その日が近づく度に
ウキウキしてしまう。
 ましてやその日の2日前、玲菜さんから電話があり、「この日会う事は、
悠には秘密にしといてね」と、姉貴には内緒で会うという事になった。この
彼女からの秘密の誘いの言葉は、いっそう僕の期待を大きくする。

 そして当日...。
 僕の15年間で一番長く、濃密な空気を込めた時間がやってきた...。


 「ごめんね~。待った~?」
 「いえ、そんな事ないですよ」
 言われていた場所に15分前から待っていた僕。約束した時間ちょうどに
玲菜さんはやってきた。彼女は仕事帰りのようで、上下にスーツを身に
まとっている。これまで普段着姿の彼女はよく目にしていたが、こうして見る
スーツの姿には、僕の知らない、働くOLとしての彼女の姿が垣間見えた。

 しかしだからと言って彼女がいつもよりも違ってみえるという事は無かった。
少し大人っぽさというものはあれど、そのまとっているパステルピンクの
色彩のスーツからは、やはり彼女が持っている可愛らしい少女的な一面と
いうものを全面的に押し出している。おそらくだが彼女は仕事場でも人気の
OLさんなのだろう。周囲の人間にも、彼女に視線を向けるものがいる。
僕がもう少し体が大きかったら、立派に恋人同士のデートの待ち合わせの
姿に見えただろうが、あいにく僕にはそれほど背丈が無く、やはり年齢差のまま
姉と弟の待ち合わせのようにしか見えなかったであろう事実に少し悔しくなる。

 「そしたらまずはご飯でも食べに行こうか~?
  あたしお腹ぺっこぺこなんだー、もう」

 会ってすぐ、彼女はそう切り出した。そういえば僕もまだ何も食べてない。
でもあいにく僕には持ち合わせが無かった。せっかくの誘いなのに...と
思っていたのだが、
 「だいじょーぶ!お姉さんがおごったげるから!!
  でもいつかはおごってもらうよ~♪」
 彼女もそれはお見通しのようだった。いつも遊びに連れてってもらってる
から、悪いなぁと思ってはいたのだが、いつかはお金を全部僕持ちのデートを
したいなぁと思っていたから、こういう誘い方をされてしまうと、どうも
イヤとは言えなくなってしまう。遊び慣れた女だったらそういう僕を都合の
良いように扱うのだろうが、今まで何年も付き合ってきての彼女の性格を
見るに、僕の中では彼女はそういう人ではないという確信もある。そして
彼女もやはりそんな僕の性格をよく掴んでいるようであった。

 「それじゃここに行こ~!ちょっとチェックしてたんだ~♪」

 そういって彼女は手にしていた情報誌を僕に見せた。そのお店はどうやら
焼肉食べ放題の店のようで、開店セールで2時間食べ放題にも関わらず、
値段もほとんど取らずという、まさに今の僕には打ってつけの店だった。
これだったら僕も遠慮せずにご馳走になれる。


 ほどなくしてお店に到着。金曜日という事もあってか、少し行列が出来て
いたが、幸いほんの20分程度という待ち時間で入店する事が出来た。中では
仕事帰りの飲み会の姿、親子連れでの夕食風景、恋人同士の食事風景など、
様々なウィークエンドの夕食の姿が繰り広げられている。焼肉屋とは思えない
小奇麗な内装ながらも、どことなくアットホームな雰囲気が感じられ、
僕は親しみを覚えていた。

 それは彼女も同じだったようだ。
「わぁ~、楽しそうな雰囲気だね~♪あたし気に入った~♪」
「そうですね。僕も気に入りましたよ」
 ウェイトレスに導かれ、焼肉屋特有の真ん中に鉄板のあるテーブルに
向かい合わせで座ると、食べ放題のセットを注文した。どの肉、野菜を
頼んでも食べ放題だから値段は一律。どうやらここはアルコールを入れる方を
対象に大きく儲けるというスタンスのようで、肉だけを頼むという「食べる」
専門の方にはあまり儲けを考えていない店のようだ。お互い今日は飲みに
来ているという訳では無かったので、「ひたすら食べよう♪」という事で、
意見は一致していたのだが...。

 「こらこら!野菜もちゃんと食べる~!!全くお子様なんだから~!!」
 「だ~から~!お肉ばっかり食べないの~!!ホントに~!!」
 「あ~!!それあたしのタン~!!こら~!京君~!!」
 いざ食べ始めると一気にこのテーブルは戦場と化した。目の前にある
焼き物のお皿の肉や野菜を2人でたいらげていたのだが、生憎ぼくは
野菜が苦手だった。姉貴がいつもそれを注意してご飯を食べるというのが
いつもの食事風景なのだが、たとえ相手が玲菜さんになってもそれは
変わらない。ニンジンはまだ我慢出来るのだが、玉ねぎとピーマン、
サツマイモだけはどうしても受け付けなかった。したがって普通だったら、
肉メインの僕に対して野菜メインの玲菜さんという構図になって
いくのだろうが...。

 「あ~、もう無くなっちゃった!お皿おかわり!!」
 ...それを超越して彼女の食べっぷりは凄かった。今までよく一緒に
ご飯を食べに行っていたから、元々彼女が大食らいなのは知っていたが、
それに更に輪をかけたような今日の玲菜さんの食べっぷり。僕が食べない
ピーマンやサツマイモも含めて、タンやバラ、ハラミといった肉たちも、
ことごとくものの数分で無くなっていき、いったいその小さな体のどこに
それだけ入るのだろうと思わずにはいられなかった。お腹が空いていた
はずの僕も、この食べっぷりを前にさすがに見るだけでお腹一杯という
状況であった。

 ...そして今思えばこの時から、僕は地獄という名の
 天国への階段を 一歩一歩上がっていた。
 しかし僕はまだそれに気付いてはいなかったのである...。


 「あ~よく食べた~♪もうお腹一杯~♪」
 「そうですね...。んじゃそろそろ出ましょうか」
 結局店を出るまでの2時間の制限時間一杯の間、彼女はありとあらゆる
肉や野菜をお腹に入れた。最後の30分くらいは僕はもうただ彼女が食べて
いるのを眺めているだけといった状態であったが、こうした彼女の姿もまた
僕にとっては新鮮な姿であった。姉貴と同じかあるいはそれ以上かと
いうくらいに、僕といる時はリラックスしてくれている。その事実が
僕にはたまらなく嬉しかった。こうして2人でいる事は始めてなのだが、
そんな事を意識しないくらいにこの彼女を見てたら僕もリラックス出来る。
今日だけじゃなく今後もこんな2人だけの時間が持てたらなぁと僕は今、
心から思っていた。
 おごってくれたお礼をして、2人でしばらく散歩をして、また雑談に
花を咲かせた。


 ...しかし、そういえばである。僕には1つ気にかかった事があった。
それは「結局、玲菜さんは僕に何の用事があったのだろう?」という事である。
単にこうしてご飯を食べるだけだったら別に普段からやってたんだから、
いちいち呼んでまでやる必要は無かっただろう。しかも今回は姉貴にお忍びで
来ている訳だが、それは玲菜さんがお願いしたからであって、単にこうご飯を
食べるというだけだったら何も秘密にする必要もなかったはず。いったい
玲菜さん、実際の用件は何なのかなぁ?と疑問をすっと抱きながら、
2人で街を歩いていた。

 その時である。おもむろに玲菜さんが口を開いた。

 「ねぇ...。今日、家に来てくれる...?」


 ...僕は一瞬、我が耳を疑った。彼女は今、確かに「家に来てくれる?」
と言ったのだろうか!?僕の聞き間違いじゃなければ、彼女はそう言ったはず
...。

 「...エッ!?」 
 「ねぇ...、どう?イヤ!?嫌だったら別にいいんだけど...」

 間違いない。彼女は家に来てと誘っている。さすがに少し緊張した。いくら
年が離れているとはいえ、仮にも付き合っている者同士である。これまで
彼女が家に来た事はあり、しかもそれは全て姉貴がいる時だったから、僕の
家に来るという事には、別段何も無く当たり前の感覚があったが、僕は
彼女の家には一度もお邪魔した事は無い。しかもこんな夜遅い時間に恋人が
家に来ない?と誘っている。僕は最初、どう反応したらいいのか分からず
超がつく緊張状態であったが、

 「お願い、相談があるの。京君じゃなきゃダメなの...」

 どうやらただ事では無さそうである。彼女のその心から懇願するような
面持ちを前に思わず少し圧倒されたが、それだけに「これはただごとでは
無いな」と僕は感じ、言葉を返す。

 「分かりました。でも僕で良いんですか?しかもこんな時間に」
 「さっきも言ったでしょ。あなたじゃなきゃダメなの...」


 こうして僕は彼女の家に向かう事になった。元々僕の家から自転車で
10分ほどという、さほど離れていない所に彼女の住んでいるマンションは
あり、その気になればいつでも帰る事は出来ると思い、行く事を了承したが、
行くまでの間、何の相談があるのだろう...?と気になり、彼女に少しでも
話を聞こうと思ったのだが、彼女は
 「来てくれたら全て分かるから...。今は勘弁して...」
 と、何も言ってくれなかった。でも彼女の表情から察するに、とにかく
「彼女は僕に相談に乗って欲しいんだ」という事だけは分かり、彼女が
そこまで言うんだから...と僕はそれ以上追及するのはやめた。逆に僕は
「彼女にここまで言われたら、ちょっとは男としていい所を見せないとな!」
と、心だけは彼女のナイト気分で、何とか彼女を元気にさせてやるぞ!!と
一歩一歩、家へと向かって歩いていた。

 「ここよ。汚い部屋だけど、遠慮無くくつろいでいいから」
 程なくして彼女のマンションに着いた。オートロックを解除し、3階にある
彼女の部屋へとお邪魔する。入ってすぐが台所とバスルームとトイレ、奥に
部屋が1つという、よくあるただのワンルームマンションのようだが、
姉貴以外の女の子の部屋に入った事の無かった僕にとっては極めて新鮮な
空間に見えた。男の部屋には無い華やかさ、可愛らしさというものが部屋の
端々からうかがえ、
 「へ~、やっぱり女の子の部屋って違うもんですね~。キレイにしてるし」
 と、思わず口にした。


 「で、玲菜さん。相談って何ですか!?」
 後ろにいる彼女に聞いた。返事が無いから、どうしたんだろうと思ったが、

 「あ!まだこっち見ちゃダメ!!」

 振り向くと彼女は服を着替えている途中であった!慌てて僕は前に向き直し、
アタフタしながらも話を続ける。しかしどうにも気まずい。背中越しという
事もあるのと、「今後ろでは玲菜さんが着替えているんだ...」と思うと、
どうにも話が続かない。妙な緊張が場を包んでいたが、しばらくして、
彼女の方から口を開いた。

 「京君...。この間はゴメンね...」

 Tシャツとジャージに着替え終わった玲菜さんがそう言ってきた。

 「?この間とは...?」
 「ほら、この間...。京君にあんな事...しちゃって...」
 
 どうやらおならの事を言っているらしい。

 「いや、もういいですよ。さすがにちょっとビックリしましたけどね」
 「ううん...。あの後、反省したんだ。
  ちょっとやり過ぎたかなって...。
  あたしの、臭かったでしょ...?」
 「あ...、あ~、でも仕方が無いんじゃないですか?
  おならだって誰でもするんですし。問題無いと思いますよ。
  それに元はと言えば僕も悪かったんですから」
 「うん...。ありがとう...」

 彼女の表情は相変わらずどこか沈んでいた。どうしたんだろう玲菜さん。
焼肉屋ではあんなに楽しそうにしていたのに(食欲も凄かったし...)。
何の相談があるのかは分からないが、それ以前にこんな状態では何も結論が
出ないような気がする。
 よし!!ここは1つ冗談でも...

 「いや~♪実はボク、あの日の出来事が忘れられないんですよ~♪
  嬉しくってすごく興奮しちゃって~♪」
 「...えっ?」
 「.....」

 気まずい沈黙が流れた。よくよく思いかえせば、これではただの変態の
発言である...。元気づけようと思ったのだが、カンペキに外した...。

 と、僕は思っていたのだが、何とこの言葉がきっかけで話は進み始めた。

 「京君...おなら...好きなの?」
 「...え?あ、あ~、う~ん...。特に考えた事は...。
  だって誰でもする事だし~。
  でも玲菜さんのだったら、僕全然問題ないですよ♪」

 彼女はちょっと元気になったようだった。そしてしばらく時が過ぎて後、
何かを決心したかのように彼女は口を開き始めた。

 「その言葉、本当?本当なの...?」
 「え、ええ。本当です。だって玲菜さんなんですから!
  ...僕にとって玲菜さんは...」

 そこまで言って僕は少しためらった。ここで...ここで告白して
いいのだろうか...?いつかは伝えたいと思っていたこの気持ちだが、
果たしてそれが今でいいのか...。早すぎはしないか...。

 「京君にとってあたしは...何...?」
 「....」

 何とも言えない濃縮な時が流れる...。その時をかき乱すかのように
心の鼓動だけがお互いを激しく包んでいる...。僕はもう自分を
抑える事が出来なくなってきていた。

 そしてその理性を最後に吹き飛ばしてくれたのは彼女だった。

 「あたしは...何っ!?答えて!!」
 「大好きな人です!!僕は...僕は玲菜さんが大好きです!!
  他のどんな女性よりも...何よりも!!誰よりも!!」

 叫ぶように自分の心の中をブチまけた!言えるとしたら今しかないと思って
いたから。あの一件以来、僕の心の中では玲菜さんの存在がどうしようもなく
大きくなってしまっていて、眠れない日もあった。彼女の事を考えると、
どうしても胸が熱くなってしまう...。こんな想い、今まで経験した事は
無い...。まさしく...まさしく初恋だった...。

 「本当...?本当なの...?本当に...、そうなの京君...」

 彼女は少しビックリしたようだが、僕の気持ちを嫌だとは思っていない
ようだ。彼女は少し潤んだ瞳で僕を見つめている。
 はやる心を静めるように僕も何も言えずにいた。僕は彼女が大好きだ!!
それは一時の気の迷いでも何でもない。心の底からそう断言出来る。


 そして...彼女は意を決したかのような表情をすると
 次に驚くべき行動に出た!!

 「そう...。ありがとう...。だったら...!」
 「...!!ちょ、ちょっと玲菜さん!!」
 彼女はおもむろに履いているジャージを脱ぎだした!!思わず後ろを
向いた僕であったが、
 「京君...。いいから...、こっち...向いて...」

 おそるおそる振り返ってみると、何とそこにはパンツではなく、
青いブルマを履いてこっちを向き、立っている彼女がいた。いったい何故
ブルマなんか...。
 ビックリしたのはそれだけではない。よく見ると彼女は目に
涙を溜めていた。

 「ど、どうしたんですか!?玲菜さん...!!」
 「京君...、お願い...!あたしを...あたしを受け止めて!!」

 プゥゥゥゥゥ~~~~~~ププププゥプスゥ~~~~~.....

 彼女はいきなりおならをした!部屋中にその匂いがたち込める!!
以前に彼女がしたおならとは比べ物にならない、靴下のにおいに
硫黄の腐乱臭をブレンドし、それにアンモニアの目にしみるような
衝撃をつけた彼女のおならが僕の鼻と目を犯しだした!!

 「ちょ!ちょっと玲菜さん...こほっ!こほっ!!!うぐぇ!!」
 「京君!!」

 なんと彼女はそれにとどまらず、今度は履いてるブルマをいきなり
脱ぎだした!!しかもよく見てみれば、彼女はそのブルマの下には何も
履いてなかったようで、目の前には彼女の薄い陰毛があらわになっている!!
それを見た瞬間、僕は更に頭に血が昇りそうになったが、
何と彼女はそこから...

 「う~!ううううう~~~~!!!!ううううう~~!!!!」

 彼女はそのブルマを今度は僕の鼻に押し付けたのである!!
ホルマリンで意識をなくさせるかのように、彼女は自分のブルマに
直接おならを吹き付け、それでもって僕の意識を飛ばそうとしてきた!!
今日食べた焼肉と野菜のおかげか、その匂いはこの前とは比較にならない、
マグマを熟成させたものを沸騰させているかの、チーズの発酵直後のような
甘~い、そしてとてつもなく臭い腐乱臭が僕の鼻を支配している!!
この前のおならは突き抜けるような刺激の強い臭いだった為、最後は
意識がはっきりしたが、今回は本当にめまいを起こさせ、意識を
失うような、甘く腐敗させたに香りであった!!

 何故...、何故なんだ...!
 玲菜さん!!玲菜...さ....ん...。


 薄れゆく意識の中、最後に聞こえてきた彼女の言葉...。

 「京君...。信じてるから...」
 
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 どれくらい経っただろう...?僕はベッドに寝かされていた。
少しまだ頭が重いが、動けないレベルでは無い。
 えー...っと、確か...、僕は玲菜さんのお家にお邪魔して...、
そして...想いを告げて...、その後玲菜さんのおならを嗅がされ...、

 え、ええー!?

 「...気がついたかしら!?」

 聞き覚えの無い女性の声で目が覚めた。...!!そうだ!ここは
玲菜さんの家!そして意識を無くして今はベッドの上!
 そして、今声をかけた目の前にいるこの女性は一体...!?

 「そんなに驚いたような目で見なくてもいいわよ。
  あなたはこれから試されるのだから...」
 「ふふっ♪うふふふっ...♪この子かぁ...」
 「ふーん、結構かわいらしい子じゃな~い♪」

 よく見れば一人だけじゃない!!さっき声をかけた女性以外にも
1,2,...3人いる!!しかしどこの誰だか全くもって記憶にない!!
何故...!?彼女達は一体...!?

 「...!?」

 よく見れば僕は両手両足を縛られ、自由に動けずにいた。僕はこの状況を
どうにかしようとひたすらもがいていたが、完全にきつく縛られていて、
動けば動くほど紐が食い込み、痛くて動く事が出来ずにいた!!

 「お、お前等!!何だこれは!!」
 「そんなに怒らないの♪ゆっくり大人しくしてたらいいんだから♪」

 女の1人がそう言ったが、いきなり両手両足を縛られて大人しく出来る
人間など居はしない。僕はめげずにどうにかしてこの状況から
逃れられないか、ひたすらあがいていたが...。

 「聞き分けの無い子ねぇ~。大人しくするのっ!!
  そんな子には...!」

  ぷぅ~~~~~~~~~~~~!!

 女は自分のお尻に手を当て、にぎりっ屁をしてきた!!
めまいのしそうな匂いがまた僕の鼻を包む!!先程の匂いには
劣るものの、この匂いもまた強烈で、僕は先程の余韻と相まって、
思わず吐きそうになった。

 「こほっこほっ...!おぇっ!く、臭い!!」

 「ふっふ~♪いいにおいでしょ~!?でも我慢するんだよ~♪
  これはあの娘の為でもあるんだからね~」

 そういって女は後ろに隠れてたたずんでいた女性を目の前によこした。
 そしてその女性は何と...!!

 「れ、玲菜さん...!!」
 「京君...ごめん...」

 僕は何が何だか分からなくなっていた。
 現在自由を奪われている僕、そしてそうした玲菜さん、
 そして今目の前にいる、見た事も無い女4人...。

 今、僕の地獄への階段を昇るような試練が始まろうとしていた...。

Ⅲへ続く>>

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