んまり暴れるんじゃないわよ」
僕は今、自由を奪われている身だった。両手両足を完全にキツく
縛られ、動きたくても動けない。よく刑事ドラマの犯人がやるような、
目隠しをして口にテープを巻かれ...とまではいかないが、それでも
手と足が完全に動けない状態というはかなり不自由で、僕は完全に
まな板の上の鯉の状態であった。
そしてその僕を見ている5人の女性。一人は少し細めの身体をしていて
顔つきは見るからにキツそう。さっき声をかけたのもこの女である。
スウェットスーツに身を包んでいるが、特に大きく身体が出ているという
訳ではなく、全体的にスレンダーなボディ。そして細面ながらも
つり上がっているその2つの瞳から、この女の性格が窺がえる。
「かわいい顔してんじゃ~ん♪あたしの好みかも~♪」
その横にいる女が見下ろしながら声をかけた。さっきの女よりは少し
年は若そうで、服装や見た目の雰囲気からそのあたりが窺がえる。
ごく普通のTシャツにGパン姿と、雰囲気的に言えば、さっきの女が
社会人だとしたら、こちらは大学生といった感じか。
しかし身体はこちらの方がよく出ており、僕とそれほど変わらない
背丈の割りには、全体的にふくよかな肢体をしていて、俗にいわれる
ポッチャリ系といわれる体系。着ているTシャツの胸の部分が大きく
出ており、Gパンから出ているお尻とそこから伸びている脚を見た
限りでも、軽肥満といった感じの身体をしている。さっき僕に
にぎりっ屁をしたのはこの女だった。
「京さんっていうんですよね」
学生服を着た女が僕に言ってくる。顔つきや振る舞い等を見ていて、
この娘だけは唯一周りの女の中では雰囲気が違っていた。見た感じ高校生
という年齢の関係もあるだろうが、それ以前に彼女の身体が小さかった。
みんな言う程、背丈は高い方ではないのだが、この娘は明らかに
頭1つ低く、150cmに満たないぐらいだろう。
その代わりに体系には特徴があり、上半身は胸もお腹も出ているという
訳ではないのだが、下半身はその分の脂肪を全て集めているといったかの
ような体系で、スカートを履いていても、そのでっかいお尻と太い脚は
まる分かりの状態だった。しかしその脂肪のついているバランスが
良いのが救いで、パッと見では肥満体には見えない。そういう意味では
この娘も特徴のある体系と言える。
「とにかく落ち着きなさい。怖くないから」
そしてこれらの女達を仕切っているかのような、落ち着いた雰囲気を
醸し出している女性。見るからに30~40代前半といった感じで、僕の
死んだお母さんと年恰好はそう変わらないだろう。しかし年齢を
感じさせない抜群のスタイルをしていて、胸もお尻も型崩れしている
様子は全く無かった。むしろ中年独特の脂ののった肢体が絶妙の
バランスで絡み合っており、元々スレンダーだったのが、年々いい感じで
ふくよかになっていっているといった感じであった。オレンジの
Tシャツの上に白のオーバーオールとその服装は若さを感じるものだが、その端整な顔立ちやしぐさから
放たれている雰囲気は完全に大人の女性のもの。何より母性と言っても
いいくらいの美しさというか、オーラのようなものがその姿から
感じられる。
だがこの女を見ていて1つ疑問が湧いて来た。何だかどこかで
見たような事があるような気がする顔をしているのである...。
うーん、記憶には無い...。でも何か見覚えがあるような...。
...まぁいい。他人の空似というヤツかもしれない。
そしてこれ等4人の女の後ろにひっそりと佇んでいるのが...
「京くん...」
玲菜さんであった。一体これはどういう事なんだ!?彼女は僕に相談が
あると言った。しかも僕じゃなきゃダメだと。それを信じて部屋に
お邪魔したらおならを嗅がされ意識を無くされた。そして目が覚めたら
この状態...。僕は彼女が本当に深刻そうな顔をして話をしてきたから
ここに来た。なのにこの仕打ちとは...。一体何がどうなっている!?
「さーて。んじゃ玲菜~、始めていいんだね~?」
さっきの細めの女がそう言った。
...!?始める!?何を始めるんだ一体!?
「ええ...、お願い...」
「それじゃ行こうか♪みんな!!」
「オ~シッ!!」
目の前で何か話が勝手に出来上がっている...。
一体何だというんだ!! 僕は本気で腹が立ち、
「こら!勝手に盛り上がるな!!」
と突っ込んだのだが、それが地獄の始まりだった...。
「んじゃまずはアタシからね~♪...ん~~~~っ!!」
プゥ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!
なんとさっきの女が手を尻に回しておならを始めた!!しかもそれは
かなり長く、5秒以上手に放っておならを溜めている。
「...っと!!ホ~ラ♪あ・げ・る♪」
「...っ!!」
それを僕の鼻に持ってきた!!少しガスの成分が多めのような、
軽めの匂いだが、手の温かさがその匂いを熟成させ、ひたすら
ガスの臭さが強調された、凄まじいにおいになっている!!今日おならを
かがされたのはこれで3度目だが、やはり臭いものは臭く、
気分が悪くなってくる!!
「く、くっさい...おぇっ!!」
しかしそれだけでは終わらなかった。
「ユキさんのは臭かったですか?なら私のは...」
ぷぷ~~~~~~~ぷ~~~~~~~ぷぷぷぷぅ!
「...うっ!!!!!!!」
今度は学生服の女の子がスカートの中に手を入れ、にぎりっ屁を
してきた!!お尻の大きな娘のおならは臭いという俗説は聞いた事が
あるが、臭いなんてもんじゃない!!質も量もタップリと感じる凄まじい
その匂い!!今まで色んな臭い匂いを嗅いできた事はあるが、ここまで
臭いものは経験した事はなかった!!頭をピストルで打ち抜かれたかの
ような突き抜ける衝撃!そしてくさやの原液を50年くらい発酵させた
ような濃縮された香り!どれをとっても想像の域をはるかに越える
ものだった。この娘の場合は育ち盛りだから、その分他の面々よりも
内臓の働きが活発なのがこの匂いを生んでいるのだろう。
「おぇっ!!く、苦しい...!!こほっ!!」
「貴子のは臭いでしょ~♪あたしも負けちゃうんだ~。だから...」
貴子と呼ばれた女の子のにぎりっ屁で僕はすでに僕は思考する能力は
無く、戦意喪失な状態であったが、そんな状態に追いうちをかけるかの
ように先程僕に最初ににぎりっ屁をしてきた女が僕の前にやってきた。
またにぎりっ屁をしてくるのかと思っていたが、何と...
「...!!むぎゅぅ!!」
女は少しずつ僕の顔の前にお尻を近づけてきたかと思うと、そのまま
僕の顔を椅子代わりにしてどっかりと座り込んだ!!僕は女のお尻に
完全に鼻を埋める状態になっていたのだが、彼女はGパンを履いていて、
そのGパンの繊維が鼻に硬くのしかかって来るので、尻の重みと相まって
鼻が折れるかのように痛い!!
と思えば、女は少しだけ腰を浮かした。おかげで尻との密着状態は
無くなり、鼻の痛みは無くなったが、すぐ上には女の尻がある状態には
変わりはない。それに両手両足を縛られている状態だから、動こうにも
動けない。しかし顔だけは何とか左右に向けられる状態であった為、
少しでもこの尻の圧迫感から逃れようしたのだが...
「ほらほら!あたいのお尻、ちゃんと拝むんだよ~♪」
なんと女はその両手で僕の顔の両サイドを押さえて固定した!!何とか
逃れようと動かない両足をバタつかせようとしたのだが、さっきの
ユキとかいう女が僕の足を押さえつけていて、全く動く事が出来ない!
完全に僕はこの女のお尻を約1センチ程の真上に見て、動けない状態に
なっていた。
「どう~、あたしのお尻♪おっきいでしょ~?」
確かに大きなお尻をしていた。大きいだけじゃなく、形も良い。
女性の尻は果物の桃のようだと表現される事があるが、彼女の尻はまさに
桃でも特上のものを思わせる。僕は以前、玲菜さんにお尻を押し付け
られた事があるが、その事を思い出し、こんな状況にも関わらず興奮して
しまっていた。それを示すかのように...。
「あら~、この子興奮してる~♪勃ってるじゃな~い♪」
僕の下半身が反応してしまっていた。ここまで辱められているにも
関わらず勃起してしまう自分に対し、悔しくもあったが、いかんせん
身体は正直なもの。若い女の子の体、しかもお尻がすぐ目の前にあるの
だから、こうして勃起してしまうというのも普通で考えたら仕方が無いと
いうものだが、今の僕には自分の中に眠ってるかもしれないM性を
自覚し、それに対してのとまどいが困惑し、微妙な精神状態にあった。
しかしそれを考えられたのも少しの間だけであった。
少し女がお尻を振ったかと思うと、その後、
「さ~て、あたしはさっきにぎりっ屁しちゃったでしょ~?しかも
貴子の後だから少しくらいの匂いではダメだからね~♪
だから~、こうするの!!」
ぷぷっすぅ~~~~ぷす~~~す~~~ぷぷ~~ぷすぅ.....
「...!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
女はあろう事にすかしっ屁を放った!!鼻のすぐ上にあるGパンの
お尻から少しずつガスが漏れてくるのだが、もうその匂いは表現出来る
レベルではない!!
「へへへ~♪臭いでしょ~♪Gパン越しのおならってちょうど
Gパンがフィルターになってくれて、ガスだけが残るように
なるんだよね~♪」
今までのおならは凄まじい匂いではあったものの、酸素や他の空気が
一緒に混じった、何とか呼吸が出来るレベルの匂いだったのだが、
このおならはもうそんな次元のものではなかった!!他の大気を完全に
シャットアウトしたかのような、純粋にメタンガスで構成された空気。
すかしっ屁という、腸の中で長く高いレベルで濃縮し、作られている
ガスなので、全く他の空気の存在を認識出来ない匂いとなっていた。
その余りもの異臭に僕の意識は喪失寸前、目もグラグラと回り始める。
「あらら...、この子大丈夫~?」
「大丈夫よ裕香、私が起こしてあげるわ」
薄れゆく意識の中、かすかに聞こえる声。どうやら一番年上の女性が
何かするのだろうが、もう僕にはどうでもいい事であった。このまま
意識を失くしていたほうが、この地獄から開放されていたであろうから。
しかしそれは許してはくれなかった。おならによって失いかけた意識は
またおならではっきりとさせられる。
「苦しいでしょ。ちょっと待ってね...」
ぷ~~~ぷぷぷぷ~~~~~~~ぷぷぅぷすぅ.......
「はい、あげる♪」
「...っ!!!!!!!!!!!」
一番年上の女性が、にぎりっ屁をしてきた!突き抜けるかのような
刺激臭が僕の鼻を襲う!!!気を失おうにも、ハンマーで殴られたような
感覚に陥る刺激が脳を突き抜け、逆に意識がはっきりとさせられる。
そして何より臭い!!さっきのおならよりも刺激が強いといったが、
イコールある意味臭さもさっきよりも上な所があった。さっきまでのが
吐き気をもよおす卵を腐らせたような腐乱系の匂いだとすれば、
これは目にしみるような爽快系の匂いである。臭さのレベルは一緒だが、
種類が違うといった感じで、様々な匂いのおならをかがさた僕は
脳みそも鼻も段々、その能力を失っていきそうだった。
「美玲さんのおならはすごいでしょ~。あの人のおならで
目が覚めなかった人はいないんだから~」
頭はグラグラと回っているが、気つけの針でも打たれたかのごとく、
意識だけははっきりしていた。それだけに今、この状況を冷静に考える
事が出来る。今、僕は完全にこの女達におもちゃにされていた。ただ
ひたすらにおならをかがされ、弄ばれている。抵抗しようにも身体の
自由がきかず、どうしようもないなすがままの状況だ。
「んじゃ貴子、もう一度お願いね」
「はい、分かりました」
しばらくして臭さに慣れ、嗅覚を取り戻して来たその時、さっきの
学生服を着た女がまた僕の前にやって来た。こうして思うと、おならの
匂いも十人十色であるという事が分かる。最初のユキとかいう女は
何か酸っぱいというか、ガスというよりも酸性の匂いを少し含んでいて、
そこに硫黄系の臭さが入り混じっているといった感じ。
今目の前にいるこの貴子とかいう女は、何がどうという問題ではなく、ひたすら
とにかく臭い!!匂いも量も全てにおいて2回りは上のレベルを
いっている。さっきにぎりっ屁も、最初のユキや裕香のものとは
もう次元の違う臭さだった。
そして裕香。彼女のおならはひたすら重い塊のような臭さである。
メタンは酸素よりも重いというが、彼女が普通の人よりも3倍くらい
体積があるんじゃないかというくらい、ズシンとくる匂い。そこに
硫黄系の匂いだから、臭さ以上にダメージが大きい。ユキとは反対に
ガスという色がきつく、いかにも「おなら」という匂いをしている。
最後に美玲。彼女はもう快速球が一気にやってくるといった感じの
ストレートに強烈な刺激をもたらすおならだった。半分気を失い
かけていた僕に対して、同じおならで正気に戻させるのだから、
匂いのレベル自体はかなり凄まじいモノがある。
変な例えだがこの4人をプロ野球選手に例えると、ユキと裕香が
日本人選手だとしたら、貴子はバリバリのメジャーリーガー。そして
美玲が抑え投手といった感じである(言っててますます変な例えだが)。
そしてそのメジャーリーガーが僕の前に立ち塞がっている。今度は
何をしてくるのかと思っていたが...。
「...!!何をするんだ!!」
「へへへ♪いいからさ、ジッとしてな♪」
何と残りの3人僕の上半身を起こすと、揃って羽交い絞めに
してきた!!完全に身動きを取れないようにしようという事か!?
そして前にいる貴子は...何とスカートを捲り上げている!!
大きなお尻に太い脚...。服の下ではよく分からなかった
下半身デブの身体だったが、こうしてスカートを捲り、パンティから
下が見えるとその大きさがよく分かる。おそらくだが90センチ以上の
ヒップだろう。
そしてそのパンティ姿の大きなお尻が、徐々に僕の顔の前に近づいて
来る。...まさか!!
「京さん...、どうぞ」
何とそのままそのお尻は僕の鼻に押し付けられた!!顔とお尻が
密着したかと思うと、今度はスカートを降ろし僕の頭の上にかける。
そしてその上から僕の側頭部を力を込めて掴んだ!!これは玲菜さんが
以前に僕にやった事と同じだ!!思い出すと下半身が反応してしまう。
「あれ~、この子また勃ってる~♪やっぱりマゾ系かな~?」
玲菜さんの時の思い出、今リアルにされているこの状況、そして
やはり眠っているのであろう僕のM性。それらが一体になって、
僕のモノは爆発寸前になっていた。
しかし同時にそれ以上の恐怖が僕を襲っていた。あの時は結局
口真似をされただけで、実際おならをされた訳ではない。しかし今回
この貴子は明らかにおならをする為に僕に尻を押し付けてきている!!
お尻も玲菜さんより大きく、何よりスカートを頭にかけるという事で、
心理的な圧迫感が更に大きい!!そしてこの貴子のおならはさっき
言ったメジャーリーグ級...。
「うぅ~!!う~~~!!!」
大きなお尻に阻まれ、言葉を発しようにも言葉にならない!!
パンティ1枚越しに密着している僕の鼻と貴子の大きな尻...。
そのお尻が遂にヒクヒクと動き出した!!
「京さん...いきます!!」
ぷぅ~~~!!ぷぷ~~~~~ぷぷぅぷすぅぷすぅ~~~!!
「△■○×▲!!!!!!!!!」
貴子のとんでもない匂いのおならが僕の鼻の中で炸裂した!!
多量に僕の鼻の中に匂いが一気に襲ってくる!!くさや、フナ寿司、
チーズ、硫黄、マグマ、ありとあらゆる臭さの臭素を何万倍にも
したような匂いを詰め込んだ凄まじい空気が流れ込む!!スカンクの
おならは臭いとよく言われるが、いくらスカンクでもこれほどの
おならをする事は無いだろうと言いたくなるくらいの臭さであった。
しかも貴子はおならをした後もなかなかお尻を離してくれない!!
匂いの全てを僕の鼻に送り込むつもりなのだろう。そしてなるべく
外気に触れないよう、お尻で圧迫する事で、純粋におならだけを
たくさん嗅がすつもりなのだと分かった。
「お、おぇ~~~!!!!!!!!!!!!!!!」
「キャア~ッ!!!」
30秒間ほどの間だったと思うが、お尻をずっと押し付けられてた後
気分が悪くなり、僕はたまらず胃の中の物を全部吐いた。フローリングの
床に今日食べた焼肉等がぶちまけられる。こんなに気持ち悪くなって
吐いたのは今まで経験に無い!胃の中に何も無くなっても、気分は
一向に優れず、僕はひたすら頭痛を催していた。
「貴子のおなら...やっぱりそんなに臭いんだ...」
「そうそう♪やっぱりすごいわアンタは♪」
おならをした本人である貴子と裕香のやりとり。何やら悲しげな
顔をしている貴子であったが、悲しいのはこっちだ!!と心の底から
言い返したくなる。しかしそれを言い返す元気が僕には無く、
ただグッタリとするだけだった。
床に散らばった僕の嘔吐物を掃除する玲菜さん。一体玲菜さんは
何故、僕を呼んだんだ!こんな仕打ちをする為だけにあんな深刻そうな
顔をしてみせていたのか!!僕の頭の中は疑問と悲しみと怒り、そして
嫌ほど嗅がされているおならの匂いで一杯だった。やりきれない思いと
憎しみを込め、奥に佇んでいる玲菜さんの方を見たのだが、
「...グスン...。京君...。」
その彼女の顔を見た時、僕は少し混乱した。彼女はただうつむいて、
手を組んでまるで祈るかのような表情で涙を流している。何故、泣いて
いるのかは分からないが、少なくとも言えるのは、今の僕のこの状況を
決して楽しんでいるという訳ではないという事である。
当然まだ釈然としないものはあったが、その顔を見た時、少しだけ
心の中が楽になった。何かは分からないが、絶対何か理由があるのだ。
現時点ではどうしたらいいのか全く分からないが、とにかく今は耐えよう。
そしてその何かが分かったら、それからまた考えればいい。僕は生来の
お人良しな面があるとよく言われるが、自分ではどうなのかよく
分からないのだが、少なくとも彼女の事を思えばまだまだ耐えられる。
そしてそんな彼女と僕のそれぞれの様子を見て取ったのか、
一番年上の女(美玲とか呼ばれてたか)が、僕に対し言ってきた。
「京君、どうだい。あたし達のおならの味は?」
「...フン!まだまださ!!全然芳しいレベルだね!!」
精一杯の強がりを込めてそう言った。実はもうギブアップ寸前だったが
玲菜さんの事を思うとそう言うのが一番良い事なのだろうと直感的に
思ったからだ。とにかく頑張って耐えてみよう。そうする事で何か
開けていくのではないかと思い、カラ元気の余裕とあざけりの思いを
込めて、美玲を睨み返す。
そう言った僕を見て、最初この美玲はビックリしていた。予想だに
しなかった言葉だったのか、始めは少し面を喰らった様子であったが、
その後すぐに、
「よーしっ!なら覚悟しなっ!!みんな!やるよ!!」
「は~い♪分かった~♪」
美玲が合図をすると、ユキと裕香がまた僕の前にやってきた。今度は
何が始まるんだ?ここまで散々おならを嗅がされてきた。何故こいつらは
僕にこんな事をするのか相変わらず分からないが、完全にとまでは
言わないまでも、少なくとも始めの時よりは恐怖感のようなものは無い。
それはさっきの玲菜さんの姿を見て「何があろうと耐えてみせる」と
腹をくくったからである。
そしたらユキと裕香は何やら楽しそうな顔をしたかと思うと、2人で
僕の上半身と下半身を抱え、僕を移動させ始めた。
「おい!何を始めるんだ!!」
「い~の♪すぐ分かるから♪」
「夢のような経験をさせてあげるわ」
そう言うと、僕をうつ伏せにさせ、側にあったこたつの中に
頭から入れた。...熱い。ずっとスイッチを入れていたみたいで、
中は熱気でムンムンしている...。昔のやぐらごたつではないので、
頭をぶつけるといった事はないが、ただひたすら赤い紫外線が
熱気と共にこたつ布団で半密封の状態で僕の首から上を被っている。
...熱い。とにかく熱い。もう何分こうしてこたつに閉じ込め
られただろうか。さっきまでは小さくながらも何とか動こうと思えば
少しは動ける状態だったのだが、今はどうやら美玲が僕の下半身の上に
乗って重しになっているようで、全く身動きが取れない拘束状態に
なっている。それにつけて頭のすぐ天井状態→限りなく
圧迫感+熱気...。僕は半酸欠状態でこの状況を
ひたすら我慢していた。
「おい...!いつまでこうすれば気が済むんだ...!!」
力を振り絞ってこたつの中からそう叫ぶ。
そしたら上から美玲の声。
「...よーし、そろそろいいかな。みんな!やっておやり!!」
「は~い♪」
3人が一斉に返事をする。限界に近づきつつある僕の呼吸の状態だが
少ししたら前方のこたつ布団が上がった。すがすがしい新鮮な空気が
入って来て、生き返る気持ちであったが、すぐにそこからとてつもなく
大きなお尻がパンティ姿でこっちに突き出された!!おそらくさっき見た
貴子のお尻だろう。50センチすぐ前にパンティ姿のお尻...。
思わず頭と下半身に一気に血が上ったが、今度は両サイドの布団も
持ち上がり、同じように突き出されたお尻が出てきた!!左側のお尻は
同じようなパンティ姿だが、こちらは少し小さめ。そして右側から
出てきたのはさっきと同じGパンの大きなお尻。こたつの中で
3方向からそれぞれ違うお尻に囲まれるという状況になった。
僕は何が行われるか察知し、すぐさま恐怖を覚えた。この酸欠状態、
この熱気、こんな所でおならをされたら...
「や、やめろ~~~~!!!!!!!!!!!!」
「は~い♪そしたらいくよ~みんな~♪せ~のっ!!」
ブブゥッ!!ブブゥゥ~~~~~!ブブゥ~~~~ブブゥ!!
ぷぷぷぷぅ~~~~~~!!ぷぅ~~~~!!ぷぷぷぷっ!!
ぷすぅ~~~~~~~ぷっす~~~~ぷぷっすぅ~~~...
「っ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕の懇願の声も虚しく、3方から一気におならが噴出された!!
赤の空間が一気にドス黄色い空間に変わっていく!!僕は酸欠状態の為、
声も出せず、ただひたすらもだえ苦しんでいた!!大便を浄水路で
何年間も発酵させたような匂い!!ひたすら目にしみる匂い!!
脳みそがとろけていくような臭さ!!様々な極悪のメタンガスが
こたつの中の熱気で暖められ、半密室の状態で僕の顔を被う!!
一生分の悪臭をこの狭い空間に閉じ込めたかのような状態の中、
僕の意識は朦朧としてくる...。さっき胃の中の物を全部出した為、
吐く事はなかったが、その分だけ気持ち悪さだけが僕の中に
蓄積していった。
あまりにもの臭さに耐えられず、段々遠のいて行く僕の意識...。
一体何故僕がこんな思いをしなくてはならないのか。考える力もなく、
投げやりな気持ちになっていく...。もうこのままずっと気を失って
いた方がいいのだろうか。僕の頭は段々と血が行かずに寒々となって
いくのを感じていた。
しかしその時、聞き覚えのある声による絶叫が僕の脳に再び
血を通わせ、意識を呼び戻した。
「京君...!!...ゴメン!!もう...もういいから!!」
玲菜さんだった。僕の身体を揺り起こし、涙を流しながら抱きついて
いる。僕はかすむ目で玲菜さんを見たが、その顔には悔恨の思いが
ありありと出ていた。申し訳無さそうな、それでいて悲しそうな、
何ともいえない寂しい顔をして...。
「ゴメンね...!こんな...こんな思いさせちゃって...」
彼女の瞳から涙が途切れず溢れ出ている。...僕はとことん
お人良しなのだろうか。ずっと疑惑が渦巻いていた僕の心の中だが
さっきの時の玲菜さんの表情、そして今僕の前で涙を流して謝っている
その顔を見ると、どうにも彼女を疑い切れない。どっちが本物なの
だろうか...。
嘘?...本当?...嘘?...本当?...嘘?...
...本当?...嘘?...本当?...嘘?...本当?
嘘?...本当?...嘘?...本当?.........。
玲菜さんが僕の肩を抱いてずっと泣いている中、しばらく悩み抜いた
末、1つの結論を出した。
「玲菜さん...。いいよ...。僕はさっきからずっと
玲菜さんを見てたんだけど、凄く悲しそうな顔をしてた...。
色々そりゃ悩んだけど...玲菜さんには何か事情があるん
だろうなぁって思って、耐える事にしたんだ」
好きな女性だ。とことん信じてあげる。
これが僕が出した最後の結論だった。
「だからいいんだよ。何があるんだか分からないけど、
僕は耐える。耐えればいいんだろ...?それで
玲菜さんにいい事が訪れるっていうんだったら、
僕はいくらだって耐えられる...」
僕の偽りない本心だ。やっぱり最後は信じる。だって...
「だって...玲菜さんは僕の大好きな人なんだから...!!」
言った後、僕は玲菜さんを強く抱き締めた。小さく震える玲菜さんの
肩...。彼女は何も言わず、抱き返してくる。何も言えずにいた
僕達...。ただ涙声だけが部屋に響き渡っていた。
「さぁ!!次は何だ!?何でもやれよ!!
そのかわり玲菜さんには絶対に迷惑かけんじゃねえぞ!!」
僕はありったけの気持ちを込めて、女達に叫んだ。こうなったら
どこまでもいってやる!!耐えて耐えて耐え抜いてやる!!そのかわり
少しでも隙を見せたら、こっちから仕返ししてやるんだ!!僕は
そう思っていた。
女達(特にユキは)僕を睨み付けていた。しばらく火花がバチバチ
散るような目線でのやりとりが続く。この時の僕はこいつらには
いったいどういう風に見えていたのだろうか。
そしてしばらくしてからである。
「...な~にラブラブやってんのよ!」
「あ~あ~、何かみせつけられちゃったね~♪」
「京さん...素敵です...」
女達は僕に思い思いの言葉を返してきた。...!?何だ?何か
また始まる訳ではないのか?一体こいつら...何を考えてるんだ!?
「...合格だよ。京君♪」
美玲がそう言ってきた。さっきまでの淡々とした表情からは
想像できないくらい、優しい心持ちの表情で僕に言ってくる。
「本当!?お母さん!!」
玲菜さんが美玲に言った。お、お母さん!?んじゃこの人が
玲菜さんを産んだお母さん...。道理で何か見覚えがあった気が
したはずだ...。よくよく見ると、目や輪郭といった顔のパーツ、
時折見せる表情のクセなど、玲菜さんにそっくりだった!!
「い、一体どうなってるんですか!?」
僕は訳が分からず、ただそう返すしかなかった。
そしてその後、彼女達が言っていた「試練」の意味を知る事となる。
彼女達みんなの悲しい思い出と、友情と共に...。
Ⅳへ続く>>
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